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木花のむら総合診療所内科・外科・小児科
健診結果の「正常の上限」、どう考える?
健康・予防の話

健診結果の「正常の上限」、どう考える?

以前診療していた、70代のある患者さんが「相談したいことがあって」と来られたことがあります。特定健診の結果を見せていただくと、コレステロールも血圧も「異常なし」の判定です。ただ、正常範囲の中でもやや上限寄りの数値が、ここ数年続いていました。

よくよくお話を伺うと、「周りの友達が次々と薬を飲み始めていて、自分もそろそろ必要なんじゃないかと気になって」とのことでした。健診の結果だけを見れば心配のいらない数値なのに、周囲の状況で不安になってしまう——このお気持ち、とても自然なことだと思います。

この記事を読んでいただくと、「異常なし」という判定と、ご自身が感じる不安との間にあるギャップを、どう考えればいいかのヒントが見つかるかもしれません。結論から言うと、数値が「正常の範囲内かどうか」と、「お薬が必要かどうか」は、実はイコールではありません。大切なのは、数字そのものより先に、その数字が今のご自身にとって何を意味するのかを、言葉で整理することです。

「正常の上限」が続く、というのはどういう状態か

正常範囲の上限が何年も続いているというのは、「今はまだ大丈夫だけれど、今後の生活習慣次第で変わっていく可能性がある」という、いわば分かれ道に立っている状態です。この患者さんの場合も、食事内容や運動習慣、ご家族の病歴なども含めてじっくり伺った上で、「今すぐお薬が必要な状態ではありません」とまずお伝えしました。

数値だけを見て一喜一憂するのではなく、その数値がどんな生活習慣の上に成り立っているのかを一緒に振り返ることで、ご本人が「なぜ今は大丈夫なのか」を自分の言葉で理解できるようになります。これが、周囲の声に振り回されないための、いちばんの土台になると感じています。

「知っておく」という選択肢もあります

お話をする中で、この患者さんは「自分の血管が実際どうなっているのか、一度きちんと知った上で、これからの生活を決めたい」とおっしゃいました。そういう場合には、体への負担が少ない血管の検査(血管の硬さを測る検査や、頸動脈のエコー検査など)で、動脈硬化の状態を客観的に確認するという選択肢もあります、とお伝えしています。

あくまで「こういう方法もありますよ」というご案内であって、全員に一律でおすすめしているわけではありません。今の生活を続けて大丈夫だと言葉で納得できれば、それで十分なことも多いですし、実際に調べてみて自分の目で確かめたい、という方には、こうした検査もひとつの選択肢になります。

院長からのメッセージ

健診結果の受け止め方も、「お薬を始めるべきか」という判断も、本来は一人ひとり違うものです。数値の判定結果だけでなく、その背景にある疑問や不安に丁寧に向き合うことが、納得して日々を過ごしていただくための近道だと考えています。

「このくらいで相談していいのかな」と迷うことがあれば、どうぞ気軽にお越しください。一緒に、今の状態を整理するところから始めましょう。

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