
インフルエンザワクチン、 打つべきか 迷っている あなたへ
「インフルエンザワクチン、打つべきですか?」。これまでの診療の中で、毎年この時期になると、本当によく聞かれてきた質問です。「打っても、かかる人はかかるって聞くし……」「副反応も気になる」「絶対に安全で、絶対に効くって言ってもらえるなら打つんですけど」。そうやって迷いながら、結局決めきれないまま今年も時期だけが過ぎていく——そんなお気持ち、とてもよく分かります。
この記事を読んでいただくと、「誰かに言われたから打つ・打たない」ではなく、ご自身が納得した上で選べるようになります。
「ご自身がどうしたいかですよ」の 本当の 意味
そのようにお伝えするとき、実は突き放しているわけではありません。予防接種は、病気になってから行う「治療」とは少し性質が違います。治療はほとんどの場合、受けることそのものに迷いの余地は少ないものです。けれど予防接種は、まだ起きていないリスクに対して、自分の体をどう守るかを自分で選ぶという、本来あなた自身の権利に属することなのです。
正直に言うと、私も医師として「このワクチンを打てば絶対に安全です」「絶対にかかりません」とは言えません。インフルエンザワクチンは発症や重症化のリスクを下げてくれますが、100%防ぐものではない。この「100%ではない」という事実こそが、最終的な判断をご自身にお任せする理由です。
もちろん、判断材料として知っておいていただきたいこともあります。重症化しやすいご高齢の方や乳幼児、ご自身が持病をお持ちの方、同居するご家族に小さなお子さんや高齢の方がいる場合などは、重症化や周囲への感染を防ぐという意味で、接種のメリットが大きくなりやすい傾向があります。一方で、過去に強いアレルギー反応が出たことがある方は、慎重な判断が必要です。こうした情報はあくまで判断の材料であって、結論ではありません。最後にハンドルを握るのは、やはりご自身です。
院長からの メッセージ
「ご自身で決めてください」という言い方が、時に「冷たく突き放された」と感じさせてしまうかもしれない——正直、そのことに悩みながらお伝えしています。
それでも私は、ご自身の健康のハンドルを、ご自身に握っていただくことこそが、一番誠実な医療のあり方だと思っています。私たち医療者の役目は、命令することではありません。効果とリスクという正しい情報を分かりやすくお渡しし、その上での決断に寄り添う、伴走者でありたいと思っています。
迷う気持ちも含めて、どうぞ一度診察室でお聞かせください。一緒に考えていきましょう。
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