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木花のむら総合診療所内科・外科・小児科
生活習慣病の方の食事指導の実際
健康・予防の話

生活習慣病の方の食事指導の実際

これまでの診療の中で、健診で「中性脂肪が高いですね」「血糖値が気になります」「血圧が高めです」とお伝えすると、患者さんの表情がさっと曇ることが何度もありました。ご本人に聞いてみると、「好きなものを全部禁止されるんじゃないか」「毎日カロリーを計算して、塩分を何グラムまでと言われるんじゃないか」と身構えていたとのことでした。そう思うと、病院に行くこと自体を後回しにしてしまう気持ちも、よく分かります。

この記事を読んでいただければ、「細かい食事制限は、実はほとんど必要ない」ということと、代わりに今日から始められるたったひとつの考え方が分かります。結論から言うと、私が生活習慣病の患者さんにお伝えしているのは「毎日同じものを食べないようにする」、ただそれだけです。なぜそれで十分なのか、順を追ってお話しします。

実際のところ、これまでの診療の中で「これは一切禁止」「あれも絶対にダメ」というような細かい食事制限をお伝えすることは、ほとんどありませんでした。

細かく縛るほど、続けられなくなる

真面目な方ほど、厳しい指導をまじめに守ろうとして、かえって苦しくなってしまう場面を何度も見てきました。「ご飯は毎食〇〇グラムまで」「揚げ物は禁止」「外食はNG」。そこまで細かく決めてしまうと、毎日の献立を考えること自体が負担になり、途中でやめてしまうか、守れなかったことに対して自分を責めてしまう。どちらも、本来の目的からは離れてしまいます。

食事は一生続くものです。数週間だけ我慢して数値が一時的に下がっても、元の生活に戻ってしまえば意味がありません。大事なのは、一生のうちどれだけ長く続けられるかだと思っています。だからこそ、足を止めてしまうような細かいルールではなく、もっと身軽に、今日からすぐ始められる考え方をお伝えするようにしています。

私がおすすめしているのは「毎日違うものを食べる」ことだけ

私が生活習慣病の患者さんに一番よくお伝えしているのは、「毎日同じものを食べないようにする」という、たったひとつのことです。

拍子抜けされることもありますが、この意識を持つだけで食生活は案外変わります。「朝はいつもバナナとパン」「昼はいつものラーメン」というような決まりきったパターンから少し離れて、日替わりで違う食材を選ぶようにするだけで、脂質や糖質、塩分など特定の栄養素を摂り過ぎる状態を自然と避けやすくなります。サプリメントをいくつも試すよりも、普段の食事にいろいろな種類の食材(いわゆるリアルフード)を取り入れる方が、ビタミンやミネラル、食物繊維をバランスよく摂れることが多いというのが、私の実感です。

やり方は「料理」ではなく「食材や色」を変えるだけで十分

「毎日違う料理を一から作る」と考えると、それこそ負担になってしまいます。意識していただきたいのは、食卓に並ぶ「食材」や「色」を変えることだけです。

主菜であれば、月曜日は豚肉、火曜日は青魚、水曜日は豆腐料理と、たんぱく質の種類を日替わりでローテーションしてみる。野菜であれば、緑(ほうれん草・ブロッコリー)、赤(トマト・にんじん)、黄(かぼちゃ・卵)、黒(ひじき・きのこ)と、昨日とは違う色を一品加えてみる。それくらいで十分です。「昨日は魚だったから今日は鶏肉と納豆にしよう」「昨日は緑の野菜が多かったから今日は赤いトマトを添えよう」というくらいの気持ちで、ゲーム感覚で続けていただくのがちょうどいいと思います。

院長からのメッセージ

もちろん、すでに腎機能の低下がある方や、数値がかなり高い状態の方には、一時的により厳密な栄養調整をお願いすることもあります。ただ、多くの生活習慣病において本当に大切なのは、完璧を目指すことではなく、小さな良い習慣を長く続けることだと考えています。

「健診の結果が良くなかったけれど、何から始めればいいか分からない」「サプリメントを続けているけれど、本当に効果があるのか不安」。そうした方は、どうぞ一度気軽にご相談ください。細かい制限を言いつけるようなことはいたしません。お一人おひとりの生活に合った、無理のない一歩を一緒に探していけたらと思っています。

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