
「マイナス0.5」から 整える、と いう 考え方
「病院に行くほどじゃないけど、なんとなく体が重い」。健康診断では「異常なし」と言われたのに、自分では確かに調子が悪いと感じている——そんなモヤモヤを、どこに相談すればいいのか分からないまま抱えていませんか。診察の合間にそんな話を聞くことが、思いのほか多くあります。
結論から言うと、そのモヤモヤは「気のせい」でも「我慢すべきもの」でもありません。当院が内科と外科の両方を診ているのは、まさにこの「なんとなくの不調」に向き合うためです。この記事を読んでいただくと、「検査で異常が出ない不調」がなぜ起こるのか、そしてそれをどう受け止めればいいのかが分かります。
病院というのは、大きな病気やケガ、いわば「マイナス5」の状態になってから駆け込み、「ゼロ」、つまり異常なしの状態に戻す場所だと思われがちです。それも医療の大切な役割のひとつですが、私がずっと気になっているのは、その手前の時間です。検査には引っかからないけれど、本人は確かに「なんとなく調子が悪い」と感じている。その「マイナス0.5」くらいの段階こそ、実は一番大事なのではないかと思っています。
「なんとなく疲れが取れない」は内科の領域、「長時間座っていると腰がつらい」は外科の領域。普段は別々の科として語られがちですが、日常のちょっとした不調は、内臓の疲れと体の使い方のクセが、互いに影響し合っていることがほとんどです。当院が内科と外科の両方を標榜しているのは、たまたまではありません。代謝や内臓の状態と、姿勢や関節・筋肉の状態、その両方から「なんとなくの不調」を見ていきたいからです。ゼロで終わらせず、そこからもう一歩踏み込んで、日々を気持ちよく過ごせる「プラス」の状態を一緒に目指していけたらと思っています。
考えてみれば、「病名がつく前の不調を整える」という発想自体は、昔から東洋医学にある「未病」という考え方に近いものです。西洋医学の視点に加えて、漢方の視点も取り入れながら、マイナス0.5の段階に向き合っていけたらと考えており、今後力を入れていきたい分野のひとつです。
宮崎は海も山も川も近く、ゴルフやサーフィンをはじめ、体を動かす趣味を楽しんでいる方が多い土地だと感じています。仕事も趣味も思い切り楽しむには、まず「動ける体」が土台になる。その土台づくりを、地域の皆さんと一緒に続けていきたいというのが、私の願いです。
「これくらいで病院に行っていいのかな」とためらう気持ちは、よく分かります。でも、その小さな違和感に一番早く気づけるのは、ご本人以外にいません。マイナス0.5のうちに声をかけていただくことが、結果として一番の近道になることも少なくないのです。
木花のむら総合診療所は、そんな小さな違和感を気軽に話しに来ていただける場所でありたいと思っています。開院まで、もうしばらくお時間をいただきますが、準備の様子はこれからも少しずつお伝えしてまいります。
