過敏性腸症候群 (IBS)
腸に明らかな異常がないのに、腹痛・腹部不快感と下痢や便秘を繰り返す状態です。タイプを見極め、段階を踏んで治療を進めます。
このページでご紹介している疾患は、基本的にすべて当院で診療いたします。病状によって、特に高度な専門治療が必要と判断した場合に限り、連携する医療機関へご紹介することがあります。なお本ページは一般的な医学情報の提供を目的としており、診断を行うものではありません。実際の診断・治療には受診が必要です。
病態
腸に炎症や腫瘍などの明らかな異常が見られないにもかかわらず、腹痛・腹部不快感と、下痢・便秘(またはその両方)を繰り返す状態です。脳と腸が互いに影響し合う「脳腸相関」という仕組みの乱れが背景にあると考えられており、ストレスや生活リズムの乱れで症状が悪化しやすいのはそのためです。排便状況によって「便秘型」「下痢型」「混合型」などのタイプに分かれ、タイプによって有効な薬剤や生活指導の内容が異なるため、まず正確にタイプを見極めることが改善への近道です。
検査方法
症状の経過や排便状況(便の硬さ・頻度等)を詳しくお伺いし、発熱・関節痛・血便・原因不明の体重減少などの「警告症状」や、50歳以上での発症、大腸疾患の家族歴がないかを確認します。血液検査・尿検査・便潜血検査で炎症・貧血・感染の有無を確認し、これらに異常がある場合や警告症状を伴う場合は、大腸カメラなど精密検査が可能な専門医療機関へご紹介し、他の病気が隠れていないことを確認したうえで診断します。
治療法
治療は段階的に進めます。まず食事指導(脂肪分やカフェイン、刺激の強い香辛料を控える、高FODMAP食品の制限を試す等)と生活習慣の改善(規則正しい食事、適度な運動)を基本とし、そのうえでタイプに応じた薬剤(下痢型には整腸剤や止痢薬、便秘型には緩下剤、腹痛には鎮痙薬等)を用います。これで改善が乏しい場合は、不安やストレスなど心理的な要因の関与を評価し、必要に応じて抗うつ薬等を併用することもあります。効果や適した治療法には個人差が大きいため、症状の変化を見ながら根気よく治療方針を調整していきます。
💡 一口メモ
IBSの症状は「気のせい」ではなく、脳と腸の間で実際に起きている体の反応です。症状を記録しておく(食事内容・排便状況・ストレスの有無等)と、タイプの見極めや治療方針の検討に役立ちます。症状が長引いてつらい場合や、市販薬で改善しない場合は、一人で抱え込まずご相談ください。
※ 本ページの内容は一般的な医学情報の紹介であり、個々の患者さんの診断・治療方針を示すものではありません。実際の診断・治療方針は、受診のうえ医師が症状・経過・検査結果を踏まえて判断します。治療の効果や必要な薬剤・処置には個人差があります。
当院は2027年10月1日開院予定で、現在は建設準備中のため診療を行っておりません。 今、急な症状でお困りの方は、宮崎市の休日・夜間急病センターや#8000(子ども救急医療電話相談)等の情報をご利用ください。
この記事の執筆・監修
