高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症の食事
高血圧・糖尿病・脂質異常症・高尿酸血症は、同じ患者さんに重なって見つかることが非常に多い病気です。幸い、これらの食事指導には共通する部分が多く、「全部を完璧に」ではなく「土台をまず守る」ことで多くの改善が期待できます。このページは一般的な目安であり、治療方針や制限の程度は年齢・腎機能・服薬内容・合併症により異なります。具体的な数値目標は診察時に主治医とご相談ください。
どの病気にも効く、共通の食事の土台
塩分を控える(目安として1日6g未満):加工食品・外食・漬物・佃煮の塩分に注意し、だしや香辛料で風味を補いましょう。食べ過ぎない・体重を整える:肥満はすべての病気の悪化因子です。腹八分目、よく噌んで食べることを意識しましょう。野菜・食物繊維を増やす:食後の血糖上昇を緩やかにし、コレステロール・尿酸の排出を助けます。毎食野菜を1皿以上とるのが目安です。お酒は控えめに:アルコールは血圧を上げ、中性脂肪・尿酸値にも影響します。飲む場合は適量を意識し、休肝日をつくりましょう。
高血圧の方が追加で気をつけたいこと
塩分1日6g未満が目安です。味噌汁は1日1杯程度まで、漬物・佃煮・加工肉などの塩分の多い食品は控え、だし・香辛料・酢・柑橘類などで風味を補うと、減塩しても満足感を保ちやすくなります。外食・中食(惣菜・コンビニ食品)は塩分が多くなりやすいため、栄養成分表示を確認する習慣も有効です。
糖尿病の方が追加で気をつけたいこと
糖質の「量」と「質」の両方が大切です。白米・パン・麺など主食の量を毎食できるだけ一定に保ち、清涼飲料水・菓子類など血糖が上がりやすい食品は控えましょう。野菜→主菜→主食の順に食べるなど、食べる順番を意識するだけでも食後血糖の上がり方が緩やかになることがあります。
脂質異常症の方が追加で気をつけたいこと
脂の「質」を意識しましょう。バター・脂身の多い肉・生クリームなどの飽和脂肪酸は控えめにし、青魚(EPA・DHAが豊富)・オリーブ油・ナッツなどの不飽和脂肪酸を積極的にとるのがおすすめです。卵黄・レバー・魚卵などコレステロールの多い食品は、量を意識してとりすぎないようにしましょう。
高尿酸血症の方が追加で気をつけたいこと
血清尿酸値が7.0mg/dl超で高尿酸血症とされ、治療では6.0mg/dl未満を目標とすることが多いです。レバー・あん肝・干物などプリン体の多い食品は控え、清涼飲料水や果物の過剰摂取(果糖)も尿酸値を上げやすいため注意が必要です。お酒は種類を問わず尿酸値に影響しますが、特にビールは控えめにしましょう。十分な水分をとることも尿酸の排出に役立ちます。
複数の病気をお持ちの方へ:優先順位のつけ方
すべてを同時に完璧にこなす必要はありません。以下の順番で取り組むと、多くの方で無理なく効果が出やすいです。①まず「塩分を控える」「野菜を増やす」「お酒を控える」の3つを徹底する(4つの病気すべてに効く共通土台です)。②次に体重・主食量を見直す(糖尿病・高血圧・脂質異常症に効きます)。③最後に、ご自身の数値で特に気になる項目(尿酸が高ければプリン体、脂質が高ければ脂の質)を追加で意識しましょう。一度に全部変えようとせず、できることから1つずつが長続きのコツです。
OK食品/控えたい食品の目安
※個人差があり、腎機能や薬剤により変わる場合があります。
積極的にとりたい食品
- ・野菜(特に緑黄色野菜)
- ・海藻・きのこ
- ・青魚(EPA・DHAが豊富)
- ・大豆製品
- ・未精製の穀物(玄米・雑穀など)
- ・十分な水分
控えたい食品
- ・加工肉・干物などの塩分の多い食品
- ・清涼飲料水・菓子類
- ・ビールなど糖質・プリン体の多いアルコール
- ・脂身の多い肉
- ・レバー類の多食
こんなときは自己判断せず受診を
急激な食事制限による低血糖症状(冷や汗・ふらつき、特に糖尿病治療中の方)、極端な糖質制限・断食による体調不良、痛風発作(関節の急な腫れ・痛み)が出た場合は、自己判断で様子を見ず早めに受診してください。持病・内服薬によって適切な食事内容は異なりますので、このページの内容を実践する前後も、定期的に主治医にご相談ください。
※ 本ページの内容は一般的な食事指導の目安であり、個々の患者さんの食事制限の内容・程度を示すものではありません。実際の食事指導は、受診のうえ医師が病状・腎機能・服薬内容等を踏まえて判断します。効果には個人差があります。
