
「何科に行けばいいかわからない」を なくしたい
この 子は、 何科に 連れていけばいいんだろう
お子さんの体調が悪いとき、「これは小児科?それとも耳鼻科?」と迷ったことはありませんか。あるいはご自身の不調で、「内科?耳鼻科?皮膚科?」と、受診先が決められないまま一晩過ごしてしまったことは。
木花のむら総合診療所院長の野村信介です。今日は、私がこのクリニックを開く一番の原点になった、ある夜の話をさせてください。
「また発作が起きたら、どうしよう」
私の子どもには、もともと小児喘息の既往があります。症状が落ち着いていたある時期、今度は鼻づまりと鼻水が続くようになりました。おそらく副鼻腔炎です。
ただの鼻風邪であれば、まだ心配はありません。しかし頭をよぎったのは、「この鼻の炎症がきっかけになって、また喘息の発作が起きるのではないか」という不安でした。
吸入器も手元に用意しておきたい。でも、今まさに困っているのは鼻の症状です。耳鼻科に行くべきなのか。それとも、喘息の経過をずっと診てくれている先生に、鼻の症状も含めて相談すべきなのか。
「鼻」と「喘息」、その境目に立たされて、受診先を決めきれない。医師である自分自身が、わが子のこととなると、科の狭間で立ち尽くしてしまったのです。
「そんな状況、意外とよくありますよね」
この経験をきっかけに、周りの方の話を聞いていくと、似たような「受診迷子」は、実は大人の日常にもたくさんあることに気づきました。
- 長引く咳と、喉に落ちる鼻水
風邪は治ったはずなのに、鼻水が喉の奥に流れ込み(後鼻漏)、夜になると咳が止まらない。咳止めをもらうなら呼吸器内科、鼻を診てもらうなら耳鼻科——仕事の合間に2つの医療機関をハシゴする時間なんて、なかなか取れません。
- 肌のかゆみと、お腹の不調
食後に肌が赤くかゆくなるだけでなく、お腹の張りや胃腸の不快感、全身のだるさまである。塗り薬をもらいに皮膚科へ行くべきか、それとも内科やアレルギー科で体全体を診てもらうべきか。
- 目のかゆみと、止まらない鼻水
花粉やアレルギーの季節、目も鼻も限界なのに、目薬は眼科、飲み薬や点鼻薬は耳鼻科と、別々に通院しなければならない大変さ。
一つひとつは決して珍しい症状ではありません。けれど、「症状が重なったとき、どの科の扉を叩けばいいのか」という問いに、明確に答えてくれる場所は、意外なほど少ないのです。
探しても、 見つから なかった
子どものことも、自分自身のことも、こうした複合的な悩みをまるごと診てくれるクリニックはないだろうか——そう思って探してみたこともあります。
しかし実際の医療現場は、専門分野ごとに分かれているのが基本です。それぞれの専門性が、患者さんにとって最適な医療を支えていることは間違いありません。一方で、「どの科に行けばいいか」を決める負担そのものが、体調が悪い患者さんやご家族の側に押しつけられてしまっている、という現実もあります。
探しても、求めているような場所は見つかりませんでした。それなら、自分たちで作ろうと決めました。
2027年10月、 ここに 「まず相談できる場所」を 作ります
木花のむら総合診療所は、年齢の境目も、科の境目もできるだけなくし、「まずはここに相談すれば大丈夫」と思っていただける場所を目指します。
お子さんの鼻と喘息も、ご自身の咳と鼻水も、肌荒れと胃腸の不調も、目と鼻のアレルギーも——どの症状から話し始めていただいても構いません。必要があれば、専門的な検査や治療につなぐ判断も、私たちが一緒に考えます。
「何科に行けばいいかわからない」で立ち止まる夜を、この地域から少しでも減らしたい。2027年10月の開院に向けて、これからも準備の様子をこのブログでお伝えしていきます。どうぞよろしくお願いいたします。
